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沿革

スケーパー研究所の母体である「地域デザイン研究室(LDL: Local Design Laboratory)」は、2017年4月に都市・建築研究者である田口陽子によって創設されました。当初は、建築設計のためのリサーチとして、都市のパブリックスペースにおける人々の利用や建築のプログラムに焦点を当てた研究が中心でしたが、次第にSCAPERという概念に注目し、SCAPERの存在や特徴を探究することを研究目的とするに至りました。

2018年には、「第三の空間:虚実⼊り混じった世界」を探求するためのフィールドワークが実験的に開始されました。これは、⽥⼝がフランスの哲学者エリー・デューリング⽒との交流のなかで辿りついた概念で、物理空間と⼼理空間のハイブリッドの哲学的空間とされます。フィールドワークは、2020年のパンデミックの⼨前まで、世界各地のパワースポットと呼ばれる観光地などを中⼼に実施され、アート・建築などの⾮⽇常的な存在が、⼈々の現実認識をどのように変容させるかを探求していました。

2020年からの新型コロナウイルスのパンデミックを契機に、第三の空間の探求は⽇常⽣活にも向けられるようになりました。そのなかで、私たちの周りには現実とも虚構とも⾮常にはっきりとわからない存在が無数にあり、それらを介して新しい視点を獲得できるというひとつの仮説に⾄りました。そして2021年に、以前から交流のあった現代アートチーム⽬[mé]の協⼒のもと、彼らが提唱するSCAPERを調査研究する「スケーパー研究所」が発⾜するに⾄ります。

2022年からは、SCAPERの社会的影響に着⽬し、SCAPERが⼈々の視点や⾏動に与える影響を分析する研究がスタートしました。そして、これまでの研究活動のなかで、SCAPERの存在が都市のイメージしやすさを意味の観点において⾼めているであろうことが分かってきました。また、SCAPERを活⽤した都市計画・まちづくりの可能性についても研究が進められています。

また、「SCAPERは私たちが認識する現実とは別の次元に存在する」という仮説が浮上しています。今後は、SCAPERに関する研究は都市・建築の分野だけでなく、さまざまな学問分野にまたがって進められていくことが望まれます。スケーパー研究所は、謎めいたSCAPERの研究に取り組み、SCAPERについての知⾒を広めることで、⼈類の知的好奇⼼を満たすことを⽬指していきます。

タイ・チェンマイへの調査旅行(2018) タイ・チェンマイへの調査旅行(2018)

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